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あたたかい、やわらかい。
ふっくら梵燈の灯り。 |
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まだちょっと明るいよね。と思うくらいのとてもきれいな夕暮れ時から東林院の光の演出はもう始まっているようでした。玄関を入ってすぐのずらりと並んだ大きなガラス窓の向こうで、木立が夕陽の輝きに溶けてキラキラと揺れています。わあ、きれいだなあと思わずつぶやきながら、私はそのやさしい光の中で、一人うっとりしてしまいました。やがて、間もなく陽が落ち、足下から闇が静かに立ち上がってくる頃に、奥の庭に配置された梵燈たち、そのひとつひとつに灯りがともされ始めます。そしてまた、それを追いかけるように闇がどんどんと深まって。あっと言う間に青紫の闇に縁取られた庭が出来上がりました。その中でぽうと浮き上がる数え切れないほどの灯り。あたたかい、やわらかい、そんな光の糸が私の心の中に結ばれていく。後から訪れた人たちも「わあっ」と言ったきり言葉を忘れています。素敵でした。東林院は樹齢三百年の沙羅双樹の木で有名だけど、このお庭での梵燈の灯りも本当にきれいです。期間限定、いつでもやってるわけではないそうなので。この次は、いつになるのかなあ。 |
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