子供たちのはしゃぐ声が
石畳を駈けていきました。
 
祇園の見どころは「通り」ごとにいろいろ。たとえば白川通りと新橋通りはさらりとした風情が魅力です。道には石畳が敷き詰められ、通りの端には緑揺れる柳や桜、梅、牡丹などが植えられ、その時々に、華やかな季節の色を奏でています。昔ながらに連なる木造の家並みがなんとも言えずなつかしく美しく。白川のさらさらとした流れに沿ってほとほとと歩くと気持ちがすっきりと晴れていきます。大和大路通りの方から白川通りに入りゆっくりのんびり進んでいくと、やがてその先の右手に掛かっているのが巽橋。この小さな橋の真ん中に立って、白川を見下ろすと、なんとも気持ちのいい風が感じられて、ああ、京都に来て良かったなあとしみじみとした気分に浸れます。そして、その左手にはこじんまりとかわいらしい辰巳神社。そこでUターンすると新橋通り。こちらもまた美しくも古めかしい町並みがとっても素敵。夜にはお茶屋さんや料理屋さんなどがのれんや提灯が並びますが、昼間は石畳を蹴って走る子どもたちのはしゃぐ声や、かわいらしいその姿も、何かしらなつかしい響きとなってその町並みに溶け込んでいきます。簾を揺らす風も、ああ、京都ですよね。